源平池に面した神奈川県立近代美術館に立ち寄った。
開館60周年を記念して「近代の洋画」展を行っていた。
明治時代、日本の油絵の先駆けとなった
高橋由一の「江の島図」が案内ポスターに載っていたので
それにつられた。

明治時代の江の島と人々が
いまその周辺で日々の生活を送る僕にとって、
何とも懐かしい感じで心に迫ってきた。
熱海の別荘を描いた梅原龍三郎の「熱海野島別荘」も
同様に、時の差異の面白さを沸き上がらせてくれた。
たまにはこんな絵画鑑賞もありかなと思う。

そんな中で一点、
気持ちを大きく揺さぶってきた絵があった。
画家の横溢な自我、
既存の社会ではおさまりきれない自己実現への渇望が
一人立ち尽くす青年の姿に凝縮されていた。

この絵画展は
10月10日までのロングランなので、
折があったらまたこの絵を見に行こうかと思っている。